2009年7月21日火曜日

映画とは夜景である


「ナイトバス(95年)」の製作を通して、彼は、”都市”はその名のなかにあるのと同じく、夜、あるいは夜景の中にさえ存在することを知っていた。だが、 いま、眼前の香港島の夜景はその先の考えを彼に宿した―「自分がつくりたかった映画は闇の中に浮かび上がる光としての都市をめぐる映画であり、さらに言う なら、映画とは夜景である」と。
ついで曽根は、「時間につきまとわれない映画としての、時間についての彫刻」をつくることを考え、こうして「香港映画」は彫刻となることが決まった。
(ダブル・リバー島への旅/曽根裕展 カタログp4-6、西原
珉) ナイトバス、、曽根裕、1995年

真っ暗な空間に、光の彫刻として浮かび上がる映画と都市の、この比喩はとても好きだ。映画が、スクリーンに映し出された実態的な厚みのない空想の像である ことから、さまざまに編集された現実の都市空間へと想像を着地させる比喩だと思う。時間につきまとわれない完璧な映画としての建築、何度観ても結末が違う完璧な映画としての建築、どこから観はじめても物語が分かる完璧な映画としての建築、への補助線。

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